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●プロフィール:
1972年生まれ。実写映画のVFXを得意とし企画段階から関わることも多い。代表作は「デスノート」、「ウルトラマン・サーガ」など。「青鬼ver.2.0」で映画監督デビューを果たす。
映画監督としてさらにキャリアを積んでいきたいですね。まずは、経験を生かして、SFやホラーなどCGや合成を駆使した企画を実現していくこと。こうしたジャンルは、映画好きの自分の原点でもありますし。もちろん、CGの部分だけではなく、演出力や表現力、世界観を評価してもらえるようになりたいものです。
VFXスーパーバイザーとしても、日本でできると思われているCGの壁を超えるべく、表現力の向上と、現実の映画作品に取り入れられる効率化を目指していきたいです。
一番となると、やはり初監督作の「青鬼ver.2.0」。実写作品に準備から仕上げまでひと通り立ち会ってきたこと、ゲームのドラマパートの長期にわたるモーキャプで、役者さんたちと共に演技・演出について考えてきたことなど、仕事で培ってきた全てが生きています。企画の主眼たるホラー要素だけでなく、自分の好きな青春、成長ものとしても成立させるべく、物語やキャラを練りこみました。
キャストやスタッフにも恵まれ、自分らしい作品になったと思います。力不足で実現できなかったことももちろんありますが、それは次の課題です。
映画監督を仕事としてやることは自分にとってひとつのゴールでした。ここに立って、ようやく次の目標に進むことができます。めざせ、カンヌの星!
映画で戦闘ヘリやミサイルを飛ばさないか、と誘われてデジタル・フロンティアに入社。
しかし、その作品では残念ながらノンクレジットになってしまう(涙)。
デジタル・フロンティア初の映画「ぼのぼの クモモの木のこと」に、チーフアニメーターとして参加。カメラレイアウト、アニメーション演出といった経験が、今につながっている。
映画「アップルシード」に参加。MotionBuilderとMaya、Softimageなどを連携させるワークフローを構築。
デジタル・フロンティアの長編CG作品制作の基礎作りに携わる。
ディレクター就任。フルCGばかりでなくTVCMなども担当し、実写系の仕事を経験していく。
映画「亡国のイージス」にCGディレクターとして参加。
神谷誠氏(特撮監督)について本格的な特撮の現場も経験。グレードアップしたミサイル発射のCGで、入社時の作品の心残りを解消する。
映画「デスノート」にVFXスーパーバイザーとして参加。
映画の現場において、VFX・特撮部門のトップとして責任を持つことになった最初の作品。
映画「ウルトラマンサーガ」にVFXスーパーバイザーとして参加。
円谷の制作体制の中に外様として飛び込んで、数々のプロダクションと連携して特撮を完成させる。
映画「青鬼 ver.2.0」で映画監督デビュー。
撮影現場、CG・VFX、モーションキャプチャーなどキャリアのすべてを注ぎ込んだ作品。
趣味はいろいろあります。当然の映画好きであり、そこそこの読書家・マンガ愛好家であり、旧いマニュアル車に乗る車好きであり、たまに100km超のサイクリングをたしなむロードバイカーであり、最近はスケールモデルに目覚めた模型好きであり(青鬼フィギュアは自家塗装)。
この前、久しぶりに家族で海外旅行に行ってきました。タイからマレーシアまで、ジャングルを走り抜けるマレー鉄道での旅は、ちょっとした冒険でした(笑)。海外旅行は、だいたいインディ・ジョーンズばりの遺跡や歴史都市ばかりなので、いつかはリゾートビーチでのんびりすることが夢です。
映画の原体験と言えるのは、小6のとき家に来たビデオデッキで録画した「ピラニア」や「狼男アメリカン」などのホラー特撮。日本の子供向け特撮とは全く違うリアリティをどうやって表現しているのか、コマ送りで何度も見返したものです。
そして、中学生で中子真治著「SFX映画の世界」に出会いました。光学合成から特殊メイクまで当時の最新SFXの舞台裏を詳細に記した、夢のような本でした。この業界に入って特撮系スタッフと話すと、みんなこの本に影響を受けていることに驚きとともに納得したものです。
直接的にCG業界に入るきっかけになったのは、やはり「ジュラシック・パーク」です。CGももちろん凄いのですが、強烈に印象に残っているのは、懐中電灯に照らされた目の瞳孔がキュッと閉まるカット。こういうディテールで存在感を高める手法は、自分の表現の指針にもなっています。