株式会社デジタル・フロンティア-Digital Frontier

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CG MAKING

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biohazard DEGENERATION

2008年10月劇場公開作品【CG制作】

リアルCGアニメーションの位置づけ

デジタル・フロンティアの方向性

Q.

2000年の映画「ファイナルファンタジー」から10年近くが経ち、リアルなCGアニメーションによる映画を作る環境も整い始めたのではないかと思います。また、今回の「バイオハザード ディジェネレーション」など、世界的な人気ゲームを素材とした映画は実績面でも大きな成果をもたらしています。日本を代表するCGプロダクションであるデジタル・フロンティアとして、こうしたリアルなCGアニメーション映画について、どのように位置づけていますか。

A.

デジタル・フロンティアの基本的なスタンスとしては、あらゆるスタイルのCG、ビジュアルエフェクトを手掛けていける態勢を採っていこうと考えています。実際、フルCGの作品だけでなく、「蛇にピアス」(08年)の、スプリット・タン(特殊な形状をした舌)のように、実写の中でCGでしか描けない「小道具」として登場するものや、あるいは、「デスノート」のように、実写の中で、主人公と深い関係をもつ死神リュークのように実際の俳優とからむ主役級の演技が要求されるCGキャラクターなど、実写映画の中でも、CGは、物語や表現の幅を広げる役割を担っています。こうした要求に応じながらも、フルCGの映画作品については、やはり作品表現としての総合力をお見せできるものでもあり、特別な思いを持っていることは確かです。
これでフルCG作品を5作品手掛けています。「ぼのぼの クモモの木のこと」(02年)、「アップルシード」(04年)、「アタゴオルは猫の森」(06年)、「エクスマキナ」(07年)、「バイオハザード ディジェネレーション」(08年)と、いずれもフルCGで制作していますが、キャラクターはいわゆるアニメ的な、セル画のタッチで作っています。それに対して、今回はどちらかというとリアルな3DCGの方向性を目指していたこともあり、新しい挑戦をする部分が多かったと言えます。]

リアルなCG映画の新たなフェーズに

リアルなCG映像を作るという点では、2000年にスクウェア(当時)制作した映画「ファイナルファンタジー」があります。「ファイナルファンタジー」については、当時から賛否両論がありましたが、リアルな表現への挑戦という意味でひとつの時代を作り、より実写に近いCG作品と言えます。これとは反対によりセルアニメに近いトゥーンシェーディングを使った「アップルシード」などのCG作品もあります。

今回の「バイオハザード ディジェネレーション」はこの実写に近いCGとアニメに近いCGの間に位置づけられるCG作品であると考えています。ゲームの世界観をそのまま再現しているということにつきますが、なによりそれが作品として受け入れられたという実感があります。我々としてはもう一つ、限られた予算とスケジュールの中で効果的な映像を作り出すという課題もあり、これを両立させるという意味では、より難しい試練だったような気もします。こうしたゲーム的リアルなルックのCG作品は今後さらに発展していく余地があると思います。

Q.

ゲームからのスピン・オフとでも言うのでしょうか、ゲームファンに親しんでもらえる世界観を保ちながら、その中でなるべくリアルなドラマをつくるという手法は、今後さらに増えていくのではないかと思いますが、デジタル・フロンティアとしては、どのようなお考えでしょうか。

A.

日本のCGプロダクションとして考えると、ピクサーなどのハリウッドのCG映画を踏襲するという方向性よりも、日本のアニメやゲームで育った我々が、アニメやゲームのクリエイターと協力しながら独自の道を拓いていくということが大きな強みとして生かしていけるのではないかと思っています。デジタル・フロンティアとしては、こうしたリアルなCG映像はもちろん、実写映画におけるVFXや、アニメタッチの3DCGなど、これまでにも多彩なCGを手掛けており、今後も幅広くクリエイティブな活動を展開していきたいと思っています。