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CG MAKING

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biohazard DAMNATION

2012年10月劇場公開作品【CG制作】

制作の流れ

ヨーロッパでのロケハン

神谷

前作はスケジュール的に難しかったんですが、今回は時間が多少あったのでロケハンに行きましょうと話しをしました。アメリカは皆、なんとなく行っているじゃないですか。だから、イメージしやすいと思うんだけど、じゃ、ヨーロッパはどんな所なのよ?パリとかじゃなくって。東欧の貧しい国って言うのは、みんな共通したイメージを持ってないと思うんですよ。僕自身は、以前別の仕事で2ヵ月ぐらい撮影でポーランドに行っていたので、なんとなくその辺の雰囲気をイメージして脚本の打ち合わせをしていたんだけど・・・なので、なんとなく共通認識をみんなで持てるようにしたいなと思っていました。本当は土井くんにも一緒に行ってもらいたかったんだけど、忙しくて行けなかったんだよね。シナリオの段階で、具体的なイメージはもうあったので、それを確認しに行った感じです。

鈴木

ロケハンはウクライナだったんですが、東欧風の人をぱっとイメージできないので、やっぱり写真の資料とか人物の資料とか撮ってきたのが、役に立ったと思います。背景に関しては、どうしても日本人には表現できない部分もあるので、一部をヨーロッパの会社に外注しました。ロケハン資料を元にイメージを共有していたので、ここでも役に立っていると思います。

CG制作までの流れ。スタッフ構成

鈴木

CG制作がスタートしたのが、2011年8月頭ぐらいです。
制作期間は、立体視込みで12ヵ月。ロケハンはその前の年の11月でした。ウクライナのスタイリストから衣装を仕入れて3Dスキャンしました。
スタッフ数はキャストと監督含め、450名ほどです。DFからは200名ほどのスタッフが参加しました。
前作より内容が濃く、期間が短いためスタッフも多くなっています。スタッフ編成を決める上で、まず各セクションのリーダーを決めました。やっぱりボリュームが大きいフルCG映画になるとプロジェクトをコントロールすることが大変なので、各セクションのリーダーは重要なポジションになります。

神谷

抑えどころはだいだい抑えてもらっていたので、意思の疎通をうまくはかれ、僕としてはやりやすかったです。

鈴木

そういう意味では、前作を経験しているスタッフもいるため、監督の意図を汲み取れたと思いますし、全体のレベルも上げられたと思います。

ワークフローについて

土井

キャラ、背景、アニメーション、エフェクトがすべて同時進行で進みました。ロケハンの資料を元に、すべてのシーンの舞台設定を決めます。その舞台設定から、ローレゾの背景を作り、モーションキャプチャー(以下MC)、アニメーション、背景制作の元になります。
MCは、ボディーのキャプチャーを撮って、そのアクターのフェイシャルキャプチャーを撮って、それを基にモーションビルダーデータに流して、モーションエディットします。そこで、カメラワークを付けて、アニマティクス、最終アニメーションという流れになります。
キャラクター制作は、キャラクターの線画のデザインを元に、通称アイコラと呼んでいますが、最終の質感に近いものを写真、レタッチで起こします。
前作で分かったのですが、日本人が作っちゃうと日本人っぽくなるので、今回はアイコラの作業をロシア人のデザイナーに頼みました。それから、キャラクターのCGを作りました。
それがまとまった状態で、ライティング、コンポジットを行います。それから、監督チェック。なるべく完成した状態を監督に見せたいと思っていました。その後も、監督の演出に沿うように、ライティング、コンポジット調整を行いました。

神谷

背景は土壇場になって出来上がりました(笑)。でも、間違ったものが上がって来たわけでもなく、色の感じも良かったし、結果的に良かったと思います。

鈴木

スケジュール的に、監督には申し訳なかったです。。。

モーションキャプチャー・フェイシャルキャプチャーのアクターについて

神谷

英語をしゃべる人たちが主役のお話なので、お芝居に関してはハリウッドでオーディションして、日本に来て頂いて撮影を行っています。アクションに関しては、日本のアクションチームにお願いしています。彼らのいつものやり方で、アクションの流れを事前に検証する為にVコン(ビデオ・コンテ)という物を作るのですが、今回は2つのシークエンスで使用しています。

前作からの反省点。新たなチャレンジ

土井

前作はキャラクターの表情と服の動き(シミュレーション)が堅かったので、前作の反省として、力を入れました。表情に関しては、もっと個性を出したかったですし、感情も出ていると思います。

神谷

リアル系を目指していると技術と進歩のいたちごっこだから、そこが一番の挑戦ですね。

監督のこだわり

土井

監督が兵器にこだわりがあったので、チェックが何度もありました。かなり、リアルな物を作っています。
鉄拳をやった蓄積があったので、よかったです。あと、外注で背景をやっているので、その点のコミュニケーションの苦労は現場であったと思います。今回、主役のレオンとエイダ以外はオリジナルキャラクターなのですが、オリジナルに関しては、東欧っぽくなかなか近づけなかったので、何度か監督に確認してもらいました。

神谷

設定に応じて、ちゃんと銃を選んでいます。架空の国ではあるけど、反政府ゲリラにしても特殊部隊にしても、あの辺の地域にあってもおかしくない物を使っています。多少、主人公が持つ銃はカスタムしています。クライ アントからのチェックは、クリーチャーぐらいで後は自由にさせて頂けました。

兵器について

神谷

ゲームとは特に連動していません。前作は、「バイオハザード4」に出てきた銃を使用するという縛りがあったのですが、今回は自由にしていいという事だったので、リアリティと自分の好みを考慮しながらチョイスしています。ただ、多様な武器が登場するので、ゲームでおなじみの武器も登場します。

苦労した点

 

鈴木

制作期間が短いため、色んな事を同時進行させなければいけない状況でしたね。

 

土井

合成とレンダリングが同時進行だったので、コンポジットに苦労しましたね。最後の一週間でまだ400カット残っていたので、終わらないかと思いました。